【 概 要 】−相倉合掌集落(富山県南砺市)は富山県旧平村の22集落のひとつで現在21戸の農山村茅葺集落です。瑞願寺(真宗大谷派、境内には慶天皇御陵があります。寺宝の古文書は南砺市指定文化財)が所有している天文21年(1552)に記された古文書に「相倉村」の名称が初見で石高が低かったものの加賀藩(本城:金沢城・藩主:前田家)の火薬として使用される塩硝や和紙などが主要産業だったと言われています。その後、養蚕業が普及し雪深い自然環境もあり合掌造といわれる急勾配、切妻屋根、重層階といった独特な建築形式が発展しました。明治20年(1887)には53戸の戸数がありましたがその後過疎化により急速に人口が減り近代化されなかったことで明治時代から昭和初期にかけての良好な景観が残されました。相倉合掌集落には合掌造り住宅や伝統的な建物20数棟の他、耕作地、水路、雪持林などの生活空間、相念寺(浄土真宗東本願寺派の念仏道場)、西方道場(浄土真宗西本願寺派の念仏道場)、地主神社(鎮守社)などの宗教施設が良好に残っており平成6年に重要伝統的建造物群保存地区に選定され平成7年には"白川郷 五箇山の合掌造り集落"として「世界の文化及び自然遺産の保護に関する条約」に基づく世界遺産リストに記載されました(白川郷:岐阜県大野郡白川村荻町・五箇山(相倉合掌集落・菅沼合掌集落)と同様に茅葺合掌造り集落)。
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