【 概 要 】−日吉社は杉谷内地区の鎮守として信仰されてきた神社で、社号と祭神の大山咋神から日吉山王信仰の本社で近江国(現在の滋賀県)に鎮座する日吉大社から祭神を勧請し杉谷内地区の産土神として祀ったと思われます。大山咋神は「日枝山」又はその麓にある「八王子山」の地主神で、比叡山(日枝山)に延暦寺が創建されると天台宗と延暦寺の守護神として信仰され、天台宗の寺院が全国に広がると共に日吉山王信仰も付随して広がりました。当社も神仏習合の形態が採られ、現在でも鎌倉時代末期の僧形神像と南北朝時代の地蔵形神像が安置され神仏混交の名残が見られます。特に地蔵形神像は日吉山王七社権現とされる二宮小比叡、大宮権現、聖真子、三宮、八王子、牛尾宮、客人権現、十禅師の内、十禅師の本地仏である地蔵菩薩を模ったものと推定される神像で興味深いものが感じられます。逆に僧形神像は神像として意識されて彫刻されたのでは無く、仏塔や仏舎利など仏教寺院に安置する為に製作し、その後、日吉社に遷されたのかも知れません。木造僧形神坐像は富山県指定文化財(彫刻)に指定されています。又、境内は神域だった為、古木、大木が多く、中でも立山杉4本が小矢部市指定天然記念物に指定されています。
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